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所在地:飛鳥坐神社(高市郡明日香村飛鳥)
開催日:毎年2月の第1日曜
奈良県高市郡明日香村に鎮座する飛鳥坐神社で、毎年2月の第一日曜日に行われる。
三河の「てんてこ祭」、尾張の「田県祭」、大和江包の「網かけ祭」とともに西日本における四大性神事のうち、一番露骨なのはこの「おんだ祭」で、まさに日本一の奇祭として折り紙をつけても良い。
この祭、正しくは緒田植神事といい、いつ頃、誰の発案で始められたものか、縁起も由来も、年代もわからない。ただ年々慣例として飛鳥の農民が、遠い昔から継続している行事である。当日は、天狗と翁の面をかぶった村の若人がササラ(竹筒の先を割ったもの)を振り回して村中を暴れまわる悪魔除けの行事から始まり、太鼓を合図に諸々の行事が展開される。
まず、一番太鼓によって式は始まり、二番太鼓までに展開されるのが農耕行事である。田を鋤く動作や種まき、田植えの式があり祭典第一段階を終わる。やがて三番太鼓を合図にこの「おんだ祭」のクライマックスとも言うべき夫婦円満の優艶な道行が行われる。黒紋付に赤い蹴出しもなまめかしいお多福と、チョンマゲのボテかつらに印袢纏という異様な姿の天狗が登場し、夫婦愛和合の様を実演する。この式を[種つけ]という。「種つけ」が終わると、二人は立ち上がって懐中から紙を取り出し、股間を拭いてその紙を観衆に撒布する。この紙は「ふくの紙」と称し、首尾よく手に入れた人はよほどの幸運だといわれ、この紙を持ち帰りその晩閨房で使用すると子宝が得られると言い伝えられている。これで、古俗味豊かなこの日の祭事をめでたく終わる。
由来、世に隠れ、人に省みられないこうした行事は、山間僻地の農山村にほど数多く残っているが、殊にこれが、上代史に栄えた飛鳥の地だけに、民俗学的に見ても興味深い。そして、豊作不作は農民にとって死活の問題であり、五穀豊穣、子孫繁栄を祈るこうした農民行司には土地の人の真摯な姿が見られる。

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